健康診断の甘い罠
自分がこんなに意地っ張りなの、初めて知ったな。
和弥くんと付き合いはじめてから自分の事なのに初めて知る事が多くて、ちょっと自分自身に戸惑ってしまう。
「高倉さん、ありがとうございます」
「え?私は何もしてないよ」
お礼を言うと高倉さんは目を丸くして私を見る。
「でも高倉さんが声かけてくれなかったら私、仲直りのきっかけを見つけられなかったので」
そう言うと高倉さんは優しく微笑んで私の背中を叩く。
「ほんとに……結城さんにはもったいないくらいいい子だなぁ、千紗ちゃんは。大丈夫だろうけど、ちゃんと仲直りできるといいね」
その言葉に私は微笑んで頷いた。
今日、電話がきたらちゃんともう許してるって言おう。
素直に自分の気持ちを和弥くんに伝えよう。