健康診断の甘い罠

「うん、ダメ。待ち合わせしたいの」


そう言うとかなり渋々って感じだけど和弥くんは頷いてくれた。


『分かった……けど、何かあったらすぐ連絡してね』


昼間だし大丈夫だと思うけど、和弥くん心配してくれてるんだな。


「うん。じゃあ、明日……楽しみにしてます」


会いたいと思ってるからそう伝えると和弥くんが嬉しそうに笑った声がした。


それを聞いて、素直になってよかったと思う。


『俺も。……長かった。やっと千紗に会える』


そう言われると苦笑いするしかないけど。やっぱり長すぎたかな。


電話を切ってからちょっと反省するけど、明日はかなり久しぶりに会えるし、外でデートも久しぶりだ。


和弥くんにもらった携帯についたストラップを見て、頬が緩む。


今日は早く寝ようと私は布団に入った。だって寝て起きたら和弥くんに会える。


楽しみで眠れない、なんて事はなくて和弥くんの事を考えながら寝付きのいい私は一瞬で眠りについた。


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