健康診断の甘い罠

「か、和弥くん。だから、人が」


そのまま私の髪に頬を擦り寄せる和弥くんに焦ってそう言うけど和弥くんは全然気にしてない。


「んー、千紗の匂いだ。落ち着く」


そう言って私の腕とか、背中とかをペタペタ触ってる。


やっぱりマイペースというか、我が道を行く人だ。


「誰も見てないよ。だって四週間も会えなかったんだよ?それにそのワンピース着てくれてるし、すごいかわいいし……我慢できないでしょ。これでも遠慮してるんだから、ちょっとくらい触らせて」


あれ、私なんか間違った?


だってこの服着て、お家で会うのは、だ、抱いてくださいって言ってるみたいで恥ずかしすぎる。


だからとりあえず外でデートしようと思ったんだけど。


外でベタベタされるのは余計に恥ずかしいかもしれない。


「が、我慢して。大人なんだから」


そう言うと苦笑いをした和弥くんが私の手を握る。


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