健康診断の甘い罠

「それ言われたら何もできないじゃん。……いや、するけど。まあ、お楽しみは後にとっといた方がいいか」


和弥くんに目を細めて見つめられてビクッとするけど、ちゃんと心の準備もしてきてるし。


和弥くんとそうなりたいって本当に思ってるから。


やっぱり、恥ずかしいけど。触れたいし、触れてほしい。


「そうしていただけると、助かります」


そう言った私に目を見開いた和弥くんが、嬉しそうに微笑んだ。


「俺に会わなくても、千紗平気だった?」


公園を歩きながら和弥くんが私にそう聞いてくる。


「平気……ではないけど」


そう言った私に和弥くんは深いため息をついて肩を抱き寄せてくる。


「俺は全然ダメだったよ。会いたくて仕方なくて……高倉さんに絡んですごいうざがられた」


そう言って笑った和弥くんがおでこがくっつきそうなくらいの至近距離で私の顔を覗きこんでくる。


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