健康診断の甘い罠
やっぱり和弥くんの思い通りな気がして悔しいけど、予想外すぎる攻撃に大分ダメージを受けている私はその和弥くんの提案に乗ることにして頷いた。
「和弥くんの家、行く」
ちょっと唇を尖らせてそう言った私を見て和弥くんが満足そうに笑った。
あ、やっぱり罠だったかも。罠だよね、分かってた。
「千紗、意外と頑張ったね。もっと早くギブアップするかと思った」
そう言われてわざとやってたんだと思って和弥くんを睨むように見上げるとチュッと音をたてて唇にキスされる。
慌ててまわりを見るけど、ちょうど人がいなくて見てる人はいなかった事にホッとする。
「触れたくてたまらなかったのは本当だし。色々と一石二鳥だよね。楽しかったけど、俺もかなり限界超えてるからね」
そう言って和弥くんはおでこをくっつけて私の肩を抱いて嬉しそうに微笑む。