健康診断の甘い罠

「千紗……かわいい。怖くなったら言ってね。やめられるように努力はするから」


そう言って首筋にキスする和弥くんにたまらない気持ちになる。


こんな時でも、私の事を優先してくれるんだと思うと嬉しくて愛しさが募る。


「平気、和弥くんだから怖くない。だから、いっぱいして」


愛しくてたまらなくて、和弥くんにたくさん触れてほしくてそう言うと和弥は困ったように笑った。


「千紗、意味分かってて言ってる?」


「だって、和弥くんもいっぱい我慢してくれてたでしょ?」


和弥くんは、私の事をいつでもこうできたはずなのに……待っててくれた。


私の準備ができるのを。たくさん我慢してくれてたんだなって、今なら分かる。


「うん、まあ……そうだけど。我ながら意志が強いというか。そういう事で千紗に警戒されたくなかったから。会えない間はやばかったけどね」


今だってきっと、我慢してくれてる。


私に触れる手が、すごく優しいし。私の反応を窺うみたいに、時々私の顔を見つめているから。


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