健康診断の甘い罠

「和弥くん?」


名前を呼んで頬を包むと、困ったように笑った和弥くんが私の唇にキスする。


「欲しくて欲しくてたまらなかったくせに、いざこうなったら千紗が綺麗すぎて……俺みたいなのが千紗に触れていいのかなって」


そう言われて私は和弥くんに抱きついた。素肌が触れあって、和弥くんのぬくもりを感じてすごくドキドキするけど、安心もする。


「じゃあ、やめる?」


そう言った私を驚いた顔で和弥くんが見た。その顔を見て苦笑いした私は和弥くんの頬に手を伸ばす。


「私は、和弥くんに触れてもらって嬉しいよ。和弥くんじゃなきゃ、嫌」


和弥くん以外と、こういう事をするのは絶対無理だし。触れてほしいなんて思うのは和弥くんだけだ。


「和弥くんの事、好きだから。私の事、和弥くんで満たしてほしい。だから、やめないで」


だから、そんな顔しないで。我慢なんてしなくていいからもっともっと、私を和弥くんで満たして。


和弥くんは私が初めて恋をした、特別な人だから。