健康診断の甘い罠
「千紗……。ありがとう、俺も好き」
そう言った和弥くんに微笑むと、和弥くんは眉を下げて私の事を見る。
「泣きそう?」
泣きそうな顔の和弥くんに、わざとちょっとふざけてそう言うと一瞬ちょっと悔しそうな顔をしてから微笑む。
「千紗も案外負けず嫌いだよね。まあ、そういう所がたまらないんだけど。もう好きで好きで、どうしようもない」
そう言われて、すごく嬉しいと思う。
私も同じ気持ちだから……好きな人が同じ気持ちでいてくれるのってすごく嬉しい。
「私も好きだよ、和弥くん。意地悪かと思うけど意外と優しい所も。大人だなと思わせて意外と子供っぽいところも。一人でも平気そうで意外と寂しがり屋なところも。わがままなようで意外と繊細なところも好き」
そう言って微笑むと和弥くんはクスクスと笑いながら私を見る。