健康診断の甘い罠
「そういうかわいい独占欲見せてくれると嬉しい。かわいくて、たまらなくなる。千紗だけだよ。こんな風になるの、初めてだし。だから、ごめん千紗。優しくできないけど、許して」
そう言った和弥くんが、喰らいつくように私の耳を甘噛みした。
「ふ、ぁ、かず、やくん」
ぎゅうっとしがみついてしまう私に少し笑った和弥くんが、耳元ではあっと熱い息を吐く。
「千紗、好き。大好き」
乱れた吐息の隙間に好きと何度も呟かれて、和弥くんの汗が私の身体にポタリと落ちる。
初めて見る和弥くんの眉を寄せた、切なげな顔をすごくかっこいいなと思ってまた和弥くんの事を好きになる。
こうしてることが嬉しくて、幸せで……目尻に涙が浮かぶ。
「好きだよ、千紗。千紗は俺の事、好き?」
そう聞いた和弥くんが私の涙の滲んだ瞳にキスする。
「好き、大好き……んっ」
そう答えると和弥くんが貪るようなキスをする。
そうしたらもう和弥くんのことしか考えられなくて、和弥くんしか見えない。
それがひどく、幸福な事に思えた。