健康診断の甘い罠
「俺がずるい男だって知ってるでしょ。知ってて、好きになってくれたんでしょ?」
勝ち誇った顔でそう言われて悔しいけど、事実だから何も言い返せない。
ずるいなんて思ってないけど、どんな和弥くんでも好きって言える。
「うん、和弥くんの全部が好き」
そう言って私は、笑っている和弥くんの背中に手を回した。
「本当に素直で適度に反抗的で千紗はかわいい。一回で終わんなかったらごめんね」
その言葉にびっくりして私は目を見開く。
「え!?おにぎり食べた……んっ」
おにぎり食べたいという私の言葉は和弥くんの唇に呑み込まれた。
和弥くんに散々愛されて、結局私が和弥くんのお手製おにぎりにありつけたのは次の日の朝だった。