健康診断の甘い罠

それに満足げに微笑んだ和弥くんが私の舌に舌を絡める。長い長いキスに頭がぼうっとしてくるけど、本当にこれ以上は色々と無理。


心臓も身体も壊れちゃいそう。


「や、だめ。壊れちゃう……から」


そう言った私に笑った和弥くんに、やめてくれるのかと思ったけどそんな事はなかった。


「……っ、あっ、い、嫌って……」


「嘘つき。俺に触れられると嬉しいって言ってたでしょ」


言ったけど、言ったけど。それは本当にそう思ってるけど……だけど。


「や、ほんとに壊れちゃう」


激しい愛し方に悲鳴をあげる私の耳元で和弥くんが笑う。


「大丈夫だよ。俺が千紗の事壊すわけないでしょ。優しくたっぷり愛してあげるから安心して」


そう言った和弥くんが私の事を強く抱きしめる。


「一生手元に置いて、離さないよ。人生で一番気に入ったのは千紗だからね。前に言ったよね?気に入ったものにはすごく執着するって」


昨日、初めて繋がる前に見た泣きそうな和弥くんが幻だったんじゃないかってくらい別人な和弥くんに私はなすすべもなく翻弄されていく。


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