健康診断の甘い罠

「身体も心も、俺なしじゃ生きていけないようにするから。とりあえず夕飯は千紗の好きなもの作ってあげるね。千紗には餌付けが効果的だからね」


耳にキスしながらそう囁かれて、私は素直に頷いた。


和弥くんの仕掛けた罠に私は自ら飛び込んだんだし、こうされるの嫌じゃない。ちょっと身体がもたないけど。


「本当に優しく、お願いします」


せめてものお願いを口にした私に笑った和弥くんの唇が、私の唇を塞いだ。


たっぷりと和弥くんの愛し方を教え込まれてもう蕩けてしまいそうな私に、和弥くんは美味しいご飯を作ってくれて、もう和弥くんなしでは生きていけないなと本気で思う。


悔しいから、今は口にしないけど。


和弥くんも、私なしで生きられなくなっちゃえばいいのにって、そんな事を思った。


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