健康診断の甘い罠

夕陽に照らされた和弥くんを、すごく綺麗だと思った。


「千紗、俺と結婚してくれませんか?」


思いがけないその言葉に私はビックリして目を見開いた。


結婚て、あの結婚だよね。え、これってプロポーズ?


予想外すぎる言葉に固まってしまった私を不安そうな目で和弥くんが見ている事に気づいてハッとした。


返事しなきゃ。私の答えは、もう決まってる。


「はい。私で良かったら、謹んで……お受けいたします」


お付き合いを始めた時と同じようにそう答えると、和弥くんはホッしたように息を吐いてしゃがみこんだ。


「……あー、緊張した。断られたらどうしようかと思った」


しゃがみこんでそう言う和弥くんが意外すぎて私もしゃがんで和弥くんの顔を覗きこむ。


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