健康診断の甘い罠

「断らないよ。断るわけ、ない」


そう言った私と目が合うと和弥くんは照れ臭そうに笑った。


「でも、すごい緊張した。こんな緊張するんだね、プロポーズって」


笑いながらそう言った和弥くんが手を伸ばして私の頭を撫でる。


「ありがとう、千紗。一生大事にするよ。決めたから、何があっても貫き通すよ。信用度高いでしょ?」


和弥くんの言葉に私は笑った。確かに一度決めたことを貫き通す和弥くんの強さを、私はよく知っている。


「……うん。世界で一番大好きで、世界で一番信用してるよ」


そう言うと和弥くんは立ち上がって私を抱きしめた。


「今日高倉さんの家で、赤ちゃん抱っこしてる千紗見て……子供も欲しいなって思った。俺が父親になるなんて、想像したこともなかったけど。千紗となら大丈夫かなって」


そういえば私が赤ちゃん抱っこしてるのじっとみてたな。そんな事、考えてくれてたんだ。