健康診断の甘い罠
罠に、嵌まる
そして次の日、目が覚めた私は出掛けるための準備を始める。
いつもよりちょっとだけちゃんと化粧をして、昨日選んだ服を着て髪を整えて。
緊張して深呼吸して、なぜか正座して和弥くんが来るのを待つ。
それがいけなかった。
いざ、和弥くんが来たら足が痺れて動けない。
ちょっと待っててとメールをして涙目になりつつ痺れがとれるのを待ってから急いで外に出る。
出てきた私に気付いた和弥くんが笑って手を挙げてくれる。
「ご、ごめんなさい。お待たせしました」
助手席に乗ってそう謝ると和弥くんが優しく笑ってくれる。
「全然いいよ。そんなに待ってないし」
優しく笑ってくれる和弥くんをあんな理由で待たせてしまうなんて、本当に申し訳ない。
「正座して待ってたら足痺れちゃって動けなくなっちゃって。申し訳ないです」
遅れた理由を説明しなきゃと思ってそう言うと和弥くんがまたぶはっと吹き出す。