健康診断の甘い罠

二人に報告出来たのは、初めてのデートから二週間も経ってからだった。


たまにあるのだけど、とにかく勤務が合わなくてなかなかゆっくり話すことができなかった。


やっとその話を出来た頃には高倉さんはすでにそれを知っていて、一ノ瀬さんは物凄くビックリしていた。


「宗一郎さんから聞いてたよ。話したかったのに、こんな時に限ってスレ違いなんだもん」


「ほんと、全然合わなかったね。でも、ほんとにビックリ。こんなに早く千紗ちゃんが結城さんとお付き合いしてるなんて」


金曜日、やっと時間が合ってご飯を食べに行こうとなった私達は会社の近くのファミレスに来ている。


「宗一郎さんも驚いてたよ。結城さんがまともに付き合ってるの初めて見たって。宗一郎さんが知る限り適当に遊んではいたけど特定の彼女はいなかったみたい。千紗ちゃんのことすごく大切にしてるみたいだって言ってたよ」


そう言ってニコニコ笑いながら私を見ている高倉さんに何だか恥ずかしくなってくる。