お兄ちゃん先生
――お兄ちゃんは、本当に私のこと好きなのかな。

部屋のドアを閉めて一人になると、胸のもやもやがもっと濃くなった。

お兄ちゃんは私のこと、大切な彼女だって、大好きだって言ってくれる。抱きしめてちゅーもしてくれる。でも、本当に私でいいの?

私は、お兄ちゃんの好きなタイプとかけ離れてるって自分でも思う。キャピキャピはしゃいだりなんてしないし、小学生のくせに醒めてるし、顔立ちだってクラスに一人はいるレベル。

私じゃなくても良かったんじゃないの? お兄ちゃんのこと「カッコいい」って騒いでる女子だっているし、そういう女子は大抵可愛い子ばっかり。

従妹の私が言うのもナンだけど、お兄ちゃんは頭が良くて優しくてイケメンだ。ちょっと性格に難があるけど、自分から拒否しない限り女性に困ることなんてないはず。

妥協して私を選んだなんて考えにくいけど、でもそういう理由だってこともあり得なくはないんじゃないのかな。だから、本当は私のことなんか――

こんなこと考えてる私って、彼女失格だ。
< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop