線香花火
冗談な雰囲気ではない。
至って真剣だ。先生も、生徒も。

涙を流す人がほとんどだ。
泣き喚いてる奴もいる。


待ってよ、ねえ、誰か
嘘だって言ってよ。


嫌だ、なんで、なんで、皆悲しんでるんだ。嘘かもしれないじゃないか?信じてみようぜ?…どうしてそう真剣に泣く。

周りを見れば見るほど、状況を把握してしまう。



信じられない。信じたくない。



とっさに教室から駆け出す。
向かうのはもちろん彼女の家だ。

あの線香花火の日に、彼女と帰ったから、大体の場所は把握している。





お願いだから、生きていて


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