線香花火
「見つけた…」
‘ 森田 ’という名前のある家を探し回って、どれだけたっただろう。
今、それは目の前にある。
インターホンを押すことに戸惑っていると、中から人が出てきた。
「…誰?」
「あ…透花さんの同級生の者で森本夏生とい」
「お姉ちゃんのこと、どうせ何も知らなかったんでしょ」
「…へ?」
「何も知らなかったくせに…知ろうともしなかったくせに、今更来ないで!!!」
「…」
図星、かもしれない。彼女のこと、何も知らなかった。こうして家を訪ねたのも今日が初めてだ。やっぱり彼女はもういないのかもしれない。でも、思い返せば、彼女はその‘ 何か ’を僕に知らせようとしていた
「…れでも」
「…は?まだ言うの?」
「それでも僕は、彼女が大切だ!!!!」
「…何を今更」
「僕だって思うよ。今更だよね、ごめん。ごめんなさい。」
「…っ」
「だから、最後に一つだけ」
「…なに」
「彼女は今どこにいますか」
「…野山病院…105号室…」
「…っ…ありがとう…!!」
僕は、彼女がどんな状態になっていようとも、彼女に会いたい。
限界だった足も、無理矢理動かして、病院へ向かう。
行き交う人など気にせず、走り抜け、105の文字を探す。
「透花っ…!!」
ドアを力任せに開けた――――――
‘ 森田 ’という名前のある家を探し回って、どれだけたっただろう。
今、それは目の前にある。
インターホンを押すことに戸惑っていると、中から人が出てきた。
「…誰?」
「あ…透花さんの同級生の者で森本夏生とい」
「お姉ちゃんのこと、どうせ何も知らなかったんでしょ」
「…へ?」
「何も知らなかったくせに…知ろうともしなかったくせに、今更来ないで!!!」
「…」
図星、かもしれない。彼女のこと、何も知らなかった。こうして家を訪ねたのも今日が初めてだ。やっぱり彼女はもういないのかもしれない。でも、思い返せば、彼女はその‘ 何か ’を僕に知らせようとしていた
「…れでも」
「…は?まだ言うの?」
「それでも僕は、彼女が大切だ!!!!」
「…何を今更」
「僕だって思うよ。今更だよね、ごめん。ごめんなさい。」
「…っ」
「だから、最後に一つだけ」
「…なに」
「彼女は今どこにいますか」
「…野山病院…105号室…」
「…っ…ありがとう…!!」
僕は、彼女がどんな状態になっていようとも、彼女に会いたい。
限界だった足も、無理矢理動かして、病院へ向かう。
行き交う人など気にせず、走り抜け、105の文字を探す。
「透花っ…!!」
ドアを力任せに開けた――――――