線香花火
森田透花 という少女には、白い布がかけられ、それは花のように置かれていて、部屋にいる人は絶やさず涙を流す。


「透…花…?」

冷たくなった手を両手で握る。
どんなに温めようとしても、一向に冷えたままのこの手を見ていると、一気に実感が湧き、頬を伝う何かが流れては止まらない。


こんな感情
――――知らない。


どうして


彼女は

透花は


目の前にいて



手を握っていて



触れ合っているのに



僕は




彼女を覆う白い布に
僕の涙がしみをつける。




気付けなくて
何も出来なくて
ごめんね


こんなにたくさん
一緒にいたのに


ごめんね

ごめんね





ありがとう





「…大好き…だったよ…っ」













君のあの笑顔が








もう一度見たいな


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