線香花火
笑顔
一目惚れだった。

中三の春、隣のクラスに転校生がやってきた。人間関係に興味が無かった僕には、どうでもいい話だった。はずだったんだ。廊下で見たんだ。目を細めて、優しそうに笑う人。笑おうとすると子供に泣かれる僕にとっては、あの笑顔はそれはそれは綺麗に見えて。いや、本当に綺麗だったんだろうけど。

君がいた世界は、本当に夢のようだった。
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