線香花火
授業中はいつもより増して上の空で。
僕にも笑いかけて欲しい。なんて我が儘を神様に祈って、今日も夢の中で彼女と会う。
――まだ間に合うから―――――
――――あの子にどうか幸せを―――
どこかから、そんな声がして目が覚めるともう放課後だった。そりゃそうだ。僕に起こしてくれる友達なんていない。教室には僕一人。寂しい気もするが、一人はやっぱり一番落ち着くもんだ。
「はあーー。なんで僕こんなんなんだろ」
独り言も思う存分言える。なんて気持ちいいんだろう。ああ、もうずっとこのまま一人でも...
「私は羨ましいけどな」
「いやいや、何が羨ましいんだ、こんなクズみたいな僕の何が...うぇあああああ?!!!!!!!」
ガタンッという音と共に、僕は椅子から転げ落ちた。
なんだ、なんだなんだなんだ。
落ちたこの場所から死角になって、目の前のそいつの顔が見えない。
とっさに起き上がり、ろくに人の顔を見ようとしたことがない視力Cの僕は、必死にその人が誰かを考えようとした。
考えようとしたんだ。
だけど、一瞬で分かってしまった。
...この僕がだよ?
クラスの人の名前も顔も、ろくに覚えていない僕がだよ?
そう、目の前のそいつは
...彼女だった。
僕にも笑いかけて欲しい。なんて我が儘を神様に祈って、今日も夢の中で彼女と会う。
――まだ間に合うから―――――
――――あの子にどうか幸せを―――
どこかから、そんな声がして目が覚めるともう放課後だった。そりゃそうだ。僕に起こしてくれる友達なんていない。教室には僕一人。寂しい気もするが、一人はやっぱり一番落ち着くもんだ。
「はあーー。なんで僕こんなんなんだろ」
独り言も思う存分言える。なんて気持ちいいんだろう。ああ、もうずっとこのまま一人でも...
「私は羨ましいけどな」
「いやいや、何が羨ましいんだ、こんなクズみたいな僕の何が...うぇあああああ?!!!!!!!」
ガタンッという音と共に、僕は椅子から転げ落ちた。
なんだ、なんだなんだなんだ。
落ちたこの場所から死角になって、目の前のそいつの顔が見えない。
とっさに起き上がり、ろくに人の顔を見ようとしたことがない視力Cの僕は、必死にその人が誰かを考えようとした。
考えようとしたんだ。
だけど、一瞬で分かってしまった。
...この僕がだよ?
クラスの人の名前も顔も、ろくに覚えていない僕がだよ?
そう、目の前のそいつは
...彼女だった。