じれったい
時間はあっと言う間にきてしまうものだ。

「玉置常務、そろそろお時間が」

腕時計を見せた私に、
「ああ、もうそんな時間ですか」

玉置常務は椅子から腰をあげた。

「では参りましょうか」

そう言った玉置常務に、
「はい」

私は首を縦に振ってうなずくと、彼と一緒に常務室を後にした。

エレベーターに乗って地下の駐車場へ向かっていたら、
「昨日のことなんですけれども…」

玉置常務が話しかけてきた。

きた…!

昨日の話に、私は身構えていた。

「何か思ったことはありませんか?」

そう聞いてきた玉置常務に、
「えっ…?」

私は訳がわからなくて聞き返した。
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