じれったい
秘書課へ戻ると、
「どうだった？」

武沢さんが声をかけてきた。

「秘書課で仕事をしていてくださいと言われました」

そう答えた私に、
「まあ、この天気じゃ仕方がないわよね」

武沢さんはやれやれと息を吐いた後、窓の外に視線を向けた。

「天気が悪くならないうちに早く帰りたいな…」

武沢さんは呟いた後、パソコンの画面に視線を向けた。

私は自分のデスクに腰を下ろすと、溜まってしまっていた事務作業に取りかかった。

パソコンの画面とにらめっこをしながら順調に作業を進めていたその時だった。

――近いうちに、あなたにチャンスが訪れます

いつか聞いた易者の言葉が頭の中に浮かんできたので、順調に進めていた作業の手が止まってしまった。
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