じれったい
「今朝辺りに常務取締役の玉置さんに連絡したら今日はいるそうだから、あいさつに行ってきなさい。

じゃあ、これからよろしくと言うことで」

「はい、よろしくお願いします…」

何だか気は進まないけれど、あいさつだと思って子会社へ顔を出そうと思った。

本社を出ると、私は息を吐いた。

「結局私は、騙されたのかな…？」

何とも言えない思いに包まれながら、私は駅の方へ足を向かわせた。

就職先が決まって、さあ頑張ろうと思ったら…配属されることになったのは、何故か人手不足だからと言う理由で子会社の方への配属だった。

易者が言ってたチャンスって、ピンチの間違いじゃないの？

チャンスがくると言われた翌日に易者に詳しいことを聞くために、もう１度あの場所を訪ねたけれど…易者は見つからなかった。

近くの店に易者のことを聞いたけれど、ほとんどの人から知らないと言われてしまった。
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