じれったい
何だ、よかった…。

危うく暴風雨の中を歩いてコンビニへ行くところだった。

そう思ったら、グーッとお腹が鳴った。

「あっ…」

お腹を隠すように手を当てた私に、
「どうやら、安心のあまりお腹が空いたみたいですね」

玉置常務が笑った。

ううっ、恥ずかしい…。

玉置常務にこんな姿を見せることになっちゃうなんて…。

そう思っていたら、
「ご飯は僕が作りましょう」

玉置常務が言った。

「えっ、いや、あの…」

玉置常務がご飯を作るんですか?

そのことに戸惑っていたら、
「1人暮らしなので家事はできます。

それにアポもなく突然訪問してきたんですから、これくらいのことはやらせてください」

玉置常務はキッチンへと足を向かわせた。
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