じれったい
秘書課に残っている最後の1人は社長秘書だそうだから、私は一体誰の秘書を務めると言うのだろうか?

そう思っていたら、
「矢萩さんは僕、玉置和歳の秘書を務めてもらいます」

玉置さんが言った。

「えっ、そうなんですか?」

それで社長じゃなくて、常務が直々にきたと言う訳か。

ようやく納得が行ったので、
「ちなみにですけど…矢萩さんはいつから勤務が可能ですか?」

玉置さんが聞いてきた。

「明日からでも構いませんが…」

そう答えたら、
「明日ですか…。

矢萩さんはまだ会社に登録されていないので…そうですね、登録が完了次第連絡をすると言うことでよろしいでしょうか?」

玉置さんが言った。

「ええ、構いません」

私は首を縦に振ってうなずいた。
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