じれったい
「今週中に連絡をいたしますので、お待ちください。

ああ、それと」

玉置さんがテーブルのうえに何かを置いた。

DVDのパッケージだった。

パッケージのタイトルには『マイ・スイートホーム』と記載されていた。

「ヒマ潰しだと思って、連絡を待っている間はご自宅で映画でもご覧ください」

そう言った玉置さんに、
「あっ、ありがとうございます…」

私はDVDをカバンの中に入れた。

映画会社だから、ここまでしてくれるんだ…。

「じゃあ、話はこれで」

「ありがとうございました」

玉置さんに頭を下げると、個室を後にした。

会社の外に出ると、私は息を吐いた。

子会社への配属で話が違うと思ったけれど、あのイケメンの下で働けるならばある意味ラッキーだ。
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