じれったい
14・過去と向きあう勇気
カチカチと、時計の針の音が聞こえていた。
今が何時なのかはわからないけれど、時間は過ぎていると言うことだけはわかった。
玉置常務は私の腕の中で、グスグスと子供のように泣いていた。
彼が泣きながら懺悔をするように話してくれた過去は、抱きしめている私まで涙が出そうになった。
「――うらやましかった…。
兄さんになりたかった…」
玉置常務は泣きながら、何度も何度も同じ言葉を呟いていた。
私はそんな彼の背中をさすった。
テレビの画面に視線を向けると、ニュースから情報番組へと番組が変わっていた。
たまに速報で、今朝の高速バスの転落事故の新しい情報が入ってくる。
それまで泣いていた玉置常務が、ようやく落ち着きを取り戻した。
「――思い出と言うものはさ、乾けばすぐに燃えてしまうものなんだよ」
落ち着きを取り戻した彼に、私は言った。
今が何時なのかはわからないけれど、時間は過ぎていると言うことだけはわかった。
玉置常務は私の腕の中で、グスグスと子供のように泣いていた。
彼が泣きながら懺悔をするように話してくれた過去は、抱きしめている私まで涙が出そうになった。
「――うらやましかった…。
兄さんになりたかった…」
玉置常務は泣きながら、何度も何度も同じ言葉を呟いていた。
私はそんな彼の背中をさすった。
テレビの画面に視線を向けると、ニュースから情報番組へと番組が変わっていた。
たまに速報で、今朝の高速バスの転落事故の新しい情報が入ってくる。
それまで泣いていた玉置常務が、ようやく落ち着きを取り戻した。
「――思い出と言うものはさ、乾けばすぐに燃えてしまうものなんだよ」
落ち着きを取り戻した彼に、私は言った。