じれったい
16・もう1人じゃない
日はもうすでに傾いていて、空は青からオレンジ色に染まっていた。
『玉置家之墓』
目の前の墓石に刻まれている文字を見ながら、私は線香に火をつけた。
線香に火がついたことを確認すると、私と玉置常務はそっと両手をあわせた。
このお墓の中で玉置常務のお父さんとおばあさんが眠っている。
玉置常務のお父さんは彼が大学4年生の時に、その1年後に後を追うようにおばあさんが亡くなったと言うことを知った。
「お父さん、おばあちゃん…遅くなってすみませんでした」
玉置常務はそう呟いた後、あわせていた両手を離した。
私も両手を離すと、玉置常務を見つめた。
「おじいちゃん、ありがとうございます。
無事に、お母さんと兄さんと和解をすることができました」
墓石に向かってそう呟いた玉置常務の顔を夕日が照らしていた。
『玉置家之墓』
目の前の墓石に刻まれている文字を見ながら、私は線香に火をつけた。
線香に火がついたことを確認すると、私と玉置常務はそっと両手をあわせた。
このお墓の中で玉置常務のお父さんとおばあさんが眠っている。
玉置常務のお父さんは彼が大学4年生の時に、その1年後に後を追うようにおばあさんが亡くなったと言うことを知った。
「お父さん、おばあちゃん…遅くなってすみませんでした」
玉置常務はそう呟いた後、あわせていた両手を離した。
私も両手を離すと、玉置常務を見つめた。
「おじいちゃん、ありがとうございます。
無事に、お母さんと兄さんと和解をすることができました」
墓石に向かってそう呟いた玉置常務の顔を夕日が照らしていた。