じれったい
全てはこの日のために繋がっていたんだと言うことを実感した。

「――好きです…。

好きです、和歳…」

玉置常務の胸で泣きながら言った私に、
「――僕も莉亜が好きです…。

莉亜のことを愛しています…」

玉置常務が答えてくれた。

お互いの気持ちを伝え終えると、私と玉置常務は見つめあった。

少しずつ近づいてきた玉置常務の顔に、私は目を閉じた。

「――ッ…」

唇が重なった。

お互いの気持ちを伝えあって結ばれたキスがこんなにも幸せなことだったなんて知らなかった。

触れていた唇が離れたのと同時に、私は目を開けた。
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