じれったい
いつもそうである。

中学時代の鈴木くんも、高校時代の大野くんも、大学時代の北見先輩も…私が好きになった人は、全て同じ理由で私を振った。

――君は悪い子じゃないんだけどね

悪い子じゃないけどって、何!?

じゃあ、つきあってくれたっていいじゃないのよ!?

いきなり彼女は無理だと言うのは私もわかっているよ!?

だけど友達からでもダメって言うのは、理由がひどいにも程があるでしょー!?

「私が一体何をしたって言うのよー!?」

「莉亜、落ち着いて…。

すみません、酔っ払ってるだけなので」

「何で友達からでもダメなのよー!?」

「この人、酔うと泣き上戸になっちゃうんです」

「“悪い子じゃないけど”って言う理由が全然わかんないんだけどー!?」

「すみません、この人を連れて帰りますから。

お代は結構です」

グイッと猫みたいに首根っこをつかまれたかと思ったら、立ちあがらされた。
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