じれったい
「ほら、早く出るよ」
「えっ…ちょっと、若菜!?」
私は若菜に連行されるように居酒屋を後にした。
「ちょっと、もう少しくらい話を聞いてくれたっていいじゃないのよ!」
外に出たのと同時に若菜からカバンを受け取りながら、私は言った。
「あのね、こっちにだって時間があるの。
莉亜の愚だにつきあわされたせいで、履歴は正文さんだらけよ!」
ズイッと若菜が私にスマートフォンの着信履歴を見せてきた。
「出たよ、旦那自慢が…」
若菜は去年の4月に直属の上司と結婚をしたのだ。
私がそれを知ったのは結婚から半年が経った10月なんだけど。
「自慢しているつもりなんかないわよ。
夜10時を過ぎると正文さんから電話とメールが1分間隔でくると言うシステムなんです」
若菜はやれやれと息を吐くと、スマートフォンを耳に当てた。
「もしもし、正文さん?」
何がシステムよ。
世間ではそう言うのを“旦那に愛されてる”って言うのよ。
「えっ…ちょっと、若菜!?」
私は若菜に連行されるように居酒屋を後にした。
「ちょっと、もう少しくらい話を聞いてくれたっていいじゃないのよ!」
外に出たのと同時に若菜からカバンを受け取りながら、私は言った。
「あのね、こっちにだって時間があるの。
莉亜の愚だにつきあわされたせいで、履歴は正文さんだらけよ!」
ズイッと若菜が私にスマートフォンの着信履歴を見せてきた。
「出たよ、旦那自慢が…」
若菜は去年の4月に直属の上司と結婚をしたのだ。
私がそれを知ったのは結婚から半年が経った10月なんだけど。
「自慢しているつもりなんかないわよ。
夜10時を過ぎると正文さんから電話とメールが1分間隔でくると言うシステムなんです」
若菜はやれやれと息を吐くと、スマートフォンを耳に当てた。
「もしもし、正文さん?」
何がシステムよ。
世間ではそう言うのを“旦那に愛されてる”って言うのよ。