ヒーロー委員会
「あれ、章司の夢って何だっけ?」



旭が顔をぱっとあげて丸い瞳をこちらに向けて尋ねてきた。


俺は少し考えて躊躇しながら言う。



「俺はあれだよ……ヒーローだよ」


「あぁ、そうだっけ。小さいころからそうだよなー」


「俺はお前と違ってこの道一筋なんだよ」



なんだそれ、と言いながら呆れたように旭は笑うけど、俺は幼稚園児のころだって小学生になったって、もちろん今だって大真面目になりたいと思っている。


たとえ小学三年生のころまではペンギンになりたいと言っていた目の前の男に馬鹿にされたって。


だけど大抵の人は笑うから普通は教えない。(旭は幼なじみだから特別)



「もったいねー、お前ならもっと上狙えるじゃねーか」



なのにどうして、わけがわからない、とでも言いたそうに瞳を向けられたが、俺はそこしか考えていなかった。


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