3.5センチメートルの境界線
それは決して、
………………
あの不思議な声が聞こえてから1週間がたった。
あれから何も起こらず、ただボーッと毎日を過ごしていた。
毎日携帯をいじっては寝て、食事もあまり取らずにいた。
「…はぁわぁぁ~~………」
喋る事といったらあくびくらい。
あくびが喋る事のうちに入るかどうかは、わからないが。
いつもどうり、母と父は仕事に出かけて行った。
無音の家。
もう慣れてしまって、恐くはなくなってしまった。
ふと、扉を見つめる。
あの時俊太の声が聞こえた、扉の向こう。
自分の幻聴だったのか。それとも……。
もう、やめよう
あいつが喋るわけがない
あいつがそこにいるわけがない
もう会えないあいつを思い出して泣くのは、疲れた。
頭を抱えてベッドの隅っこに座る。
もう一度だけ…会いたかった
コンコン