男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
しぶしぶうなずくが、

「その後絶対殺すからね!!」

という言葉も忘れない麻里奈。

もう殺すっつっちゃってんね。

どうにかしないとな……

「……ところでさ、この子が誰なのかまだよくわからないんだけど」

「そういやぁこいつ誰?」

俺が考えていると二人が同時に俺に質問

考えがまとまらねぇじゃんかよ、とキレたいところですが八つ当たりになっちゃうので我慢

「ああ……」

まずは心に麻里奈を紹介

「この子は麻里奈っつって、俺の小一からの……幼なじみ?」

小一からでも幼なじみでいいのか?

祐一郎とは物心つく前から一緒にいたから幼なじみって言えると思うけど……

「へぇ、そうなんだ」

まあ小一からっつってれば心もわかるだろう。

『そうなんだ』って言ってるしね。



次に麻里奈に向き直る。

「んでこっちが俺の友達の心」

本当は『親友』って説明したかった。

でも自分で思うのと人に紹介するのは違うからなんとなくやめといた。

「おー、わかった。
心心心心心心心心心心ここ……」

「麻里奈ストップ
覚えようとしてるのはいいけどそれじゃなんかの宗教だから」

『心』を連呼しはじめた麻里奈を停止させる。

いくら名前を覚えるのが苦手だからってやり過ぎだ。

「それに『心』って覚えやすい名前だし、そんなに連呼せんでも大丈夫だろ」

「う…ん、たぶん?」

たぶんかよ……



……麻里奈、中高一貫のお嬢様校に通ってたんじゃなかったっけな……?








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