男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
んあー

でも鹿島先輩どこにいんだろ

目的地わかんなかったら会おうにも会えない。

俺は麻里奈みたいな謎の能力持ってないし……

電話?

いやいや、それもな……

呼び出したいんじゃないからね。

謝りたいだけでさ。

……どうしたもんかな

「麻里奈、鹿島先輩がどこにいるかわかったりしない?」

「やっだなー。そんなことできないよ。
アタシ魔法使いでも何でもないし。
だいいちできる人がいたら面拝んでみてぇわ」

お前が言うか?

俺はそっと鏡を渡したい気分になる。しかし鏡なんて常備しない。

仕方なく俺は

「化粧室……行く?」

と訊いてみた。



あそこなら大っきな鏡で魔法使いみたいなことができる不思議な人の顔をじっくり拝めるぞ。

「ん? 手洗い行きたいの?」

違う……




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