男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「謝罪……?」

「夏休みの時の……」

「気にしていないが?」

うん、鹿島先輩ならそう言うと思ってたよ。

でもそういう問題じゃないんだ。

鹿島先輩がいい人だからそうやって言うのはわかってたんだけど、ね。

「麻里奈。ほら」

「あ……う……」

「人見知りでもお淑やかちゃんでもないだろ。ましてや引っ込み思案でもねぇんだから早く」

急かすが、どもっている麻里奈。

まったくもう、こいつは……



「鹿島先輩……すみませんでした!!」

麻里奈にタイミングを任せっぱなしだと日が暮れてしまう。

こうなったら俺が初めに謝るしかないじゃないか。

「え、あ…ごめんなさい!」

ほうら、謝った。

姉ちゃんは何でも知ってんだぞ。えっへん。



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