男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「謝る必要はないと……」

俺らが謝っても必要ないと言い張る先輩。

謝る必要はないって言われてもね……



俺たちが謝ったのは結局のところ自己満足のため。

それに

「鹿島先輩に嫌われたりしたくないので」

たった一回の謝罪。

たった五、六文字のその言葉。

でもそれでも……

たった、なんて言いあらわせる言葉でも

変わるものはあるかもしれないじゃないか。



だから俺は遅くなったとしても謝りたい。

鹿島先輩は尊敬してる、大好きな先輩だから。



「……そう…か……?」

戸惑ったような先輩の答え。

「はい
先輩は俺にとって尊敬してる大好きな先輩ッスよ」

「……」

鹿島先輩がなぜだかわからないけれど頭を抱える。

どうしたんだろ……?



「みっちゃん、行こうか。
……ここにそんなに時間使うわけにもいかないし」

心からの唐突な台詞。

ホントみんなどうしちゃったのさ。


< 22 / 66 >

この作品をシェア

pagetop