男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「頭いいんだから助けてくれてもいいじゃん。見捨てることないじゃん!」

「見捨てるわけじゃないよ? ただ思いつかないから諦めただけで」

どちらにせよ同じことだろ! と文句を言いたいが揉めているヒマはない。

少しでもスキを見せれば……

「さあ会長殺しに出ぱぁーつ」

と、内容とかけ離れたテンションで麻里奈が行ってしまうから。

「ちょっ、まだ行かないで!」

「どれくらい待てばいい?」

「百年待ってて!!」

「えー。せめて十分かな」

いつもは俺の言葉を素直に聞く麻里奈だが今は完全に無視。

……麻里奈。お前をそこまで怒らせることだったのか? あれ。

俺よりもさらに怒りたくなるようなことだったのか? あれ。
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