男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「……はい?」

思わず間抜けな声。

しかしそれほどまでに意外であり、そしてショックだった。

だって会長がこれを仕組んだ人間の一人だと、そう思ってしまったから。

始めは意味がわからない人だったけど、でも会長は会長で良いところがあるんだって……そう思っていたのに、裏切られたようだったから。

「だったら祐一郎はどこにいるんですか。教えてください、お願いします……!」

「知るわけねぇだろ」

「え……」

「俺の親父のやってることなんて、俺が知ってるわけねぇだろぉ?」

「ふ、ふざけるのもいい加減に……」

会長が、ため息をもらしたのを感じる。

「……お前、俺のこと何だと思ってんだ?」

一瞬の間の後、何かの迷うような顔をしてそう言った会長。

それは初めて見る表情で、戸惑った。



何を考えてるんだろう、いつもそんな風に思ってた会長の珍しい反応。


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