男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「何って……生徒会長、じゃないんですか」

そう言うと可哀想な子を見るような目をこちらに向けてきた会長。

「俺の『家』での立ち位置だよ」

「『家』?」

「そう、西園寺家での、なァ」

そんなもの、知るわけがない。

けれど何かしら言わなければ、と思いおそるおそる口を開いた。

「次に西園寺家を纏める人……とか」

「少し違ぇなァ」

「少し……?」

勘で言ったことなのでもとより正解だとは思っておらず、『少し』という言葉に違和感を覚える。

「俺は、『次期当主候補』だ」

「次期当主『候補』、ですか……?」

確かに俺の答えと似ている。『候補』という言葉を除けば。




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