男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「ああ。つまりだ。
家の奴らはまだ俺には従わねぇんだよ」

「じゃ、じゃあ祐一郎は……」

「『今』の俺には連れ戻せねぇだろおなァ」

だからな……、と会長は続けた。

そのいつにない真面目な眼差しに射貫かれるように感じつつも、視線を逸らさずジッと次の言葉を待つ。

「お前、俺と婚約しろ」

「はぁ!?」

そして待った俺は……奇声を発したのだった。
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