男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「……ワガママなんかじゃねぇよ。不法侵入までした俺の方がよっぽど自分勝手……」

はぁ、とため息をもらしつつそう言う祐一郎に、俺の『ワガママ』を聞くというニュアンスが含まれているのを感じ、フッと力を抜いた。

「ああ確かに」

「否定はしねぇのな」

「俺の方がワガママだよ、って言って欲しかった?」

「それはそれで面倒くせぇけどよ……」


すっかりいつもの調子に戻った二人。

俺はこのまま何事もなく学園に戻れるのだと信じて疑わなかった。



――――そう、ギィと音をたてて、俺たちのいる部屋の扉が開かれるまでは……


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