男装少女争・奪・戦 ~誰か選ぶとか無理だから!~ 【完】
「ねえ、祐一郎」
人目に付かぬ小道を走りながら俺は言った。
「俺は祐一郎が大切だと思ってる。それはずっと昔からのことだったんだ。それでね……」
そこで言葉を切る。走って息がきれていたのは当然あるけれどどちらかと言えば緊張が強かった。
「……あの、その……」
心臓がバクバク鳴っていた。身体全体が震えているような、そんな感覚。けれど意を決して一息で言い切った。
「今も大切には変わりないけどそれ以上に祐一郎が好きなんだ」
祐一郎は少しの間、意表を突かれたような顔をしていたがその後
「俺もだ」
と赤面する。
俺は思わずふふっと笑ってしまった。
「笑うな」
「ごめん、ごめん」
あと少しで大通り。さてどうしようか。
「祐一郎、このまま学園まで走る?」
「十㎞はあるぞ?」
「よっしゃ走る」
俺の言葉に苦笑をする祐一郎。
「仕方ねぇな、付き合う」
「サンキューな」
そしてそのまま俺たちは走り出す。
長い長いこの道、何ごともなく通れるかなんて誰にもわからない。
けれど走り抜けよう。
だって、隣を見れば大切な人がいるから。
人目に付かぬ小道を走りながら俺は言った。
「俺は祐一郎が大切だと思ってる。それはずっと昔からのことだったんだ。それでね……」
そこで言葉を切る。走って息がきれていたのは当然あるけれどどちらかと言えば緊張が強かった。
「……あの、その……」
心臓がバクバク鳴っていた。身体全体が震えているような、そんな感覚。けれど意を決して一息で言い切った。
「今も大切には変わりないけどそれ以上に祐一郎が好きなんだ」
祐一郎は少しの間、意表を突かれたような顔をしていたがその後
「俺もだ」
と赤面する。
俺は思わずふふっと笑ってしまった。
「笑うな」
「ごめん、ごめん」
あと少しで大通り。さてどうしようか。
「祐一郎、このまま学園まで走る?」
「十㎞はあるぞ?」
「よっしゃ走る」
俺の言葉に苦笑をする祐一郎。
「仕方ねぇな、付き合う」
「サンキューな」
そしてそのまま俺たちは走り出す。
長い長いこの道、何ごともなく通れるかなんて誰にもわからない。
けれど走り抜けよう。
だって、隣を見れば大切な人がいるから。