國比呂少年怪異譚
その夜も女は広場をうろついていて、いつもの事なので特に気に留めてなかった。
でも店から出た時、視線感じて顔上げると、広場の真ん中の噴水を隔てて、女がこっちを見てた。
何か変な感じがした。
私は目が悪くて、眼鏡かけてても少し離れた場所だと相手の顔とかよく見えないのに、女は妙にくっきり見えた。
目があった途端、気持ち悪くなった。
何か本能的に怖くて、すぐに鳥肌立って。
(うわ、ヤバい!でも何が?)
自分でも思考回路謎のまま、それでも反射的に店内に戻ろうとしたけど、金縛りかかったみたいに身体が動かない。
助けを求めようとして声すら出ない事に気付いた。
いつもフラフラ歩いてる筈の女が、スッと素早く近寄ってくる。
明らかに普通じゃない様子で、髪振り乱してドレスの裾揺らしてこっち来るのに、誰も気付いてくれない。
物凄い顔で笑ってて、その表情の怖さに、フッ…と気が遠くなった。
だって、眼球に白目がない。
全部黒目に変わってる。
怖い、もう駄目だって思った時に。
「!?」
いきなり誰かが後ろからギュッと腕を摑んできた。
でも店から出た時、視線感じて顔上げると、広場の真ん中の噴水を隔てて、女がこっちを見てた。
何か変な感じがした。
私は目が悪くて、眼鏡かけてても少し離れた場所だと相手の顔とかよく見えないのに、女は妙にくっきり見えた。
目があった途端、気持ち悪くなった。
何か本能的に怖くて、すぐに鳥肌立って。
(うわ、ヤバい!でも何が?)
自分でも思考回路謎のまま、それでも反射的に店内に戻ろうとしたけど、金縛りかかったみたいに身体が動かない。
助けを求めようとして声すら出ない事に気付いた。
いつもフラフラ歩いてる筈の女が、スッと素早く近寄ってくる。
明らかに普通じゃない様子で、髪振り乱してドレスの裾揺らしてこっち来るのに、誰も気付いてくれない。
物凄い顔で笑ってて、その表情の怖さに、フッ…と気が遠くなった。
だって、眼球に白目がない。
全部黒目に変わってる。
怖い、もう駄目だって思った時に。
「!?」
いきなり誰かが後ろからギュッと腕を摑んできた。