國比呂少年怪異譚
土曜日。
携帯ショップに行ったが大した原因は分からずじまいだった。
そして、話の流れで気分転換に『占いでもしてもらおうか』って事になった。
市内でも『当たる』と有名な占いの男の子がいる。
茶の短髪、丸い眼鏡、紺のコートを着た中学生くらいの男の子。
ところが予約がいるらしく、電話すると、運よく翌日の日曜にアポが取れた。
その日は適当に買い物などして、外泊した。
日曜日。
昼過ぎに男の子の所に着いた。
「予約した者ですが」
「どうぞ」
男の子に勧められると、路上の占いスペースの周囲に猫がいた。
俺達を見ると、ギャッと威嚇をし、路地裏の奥へ逃げていった。
男の子の足元も猫に囲まれている。
俺達が近付いた瞬間、一斉に『ギャーォ!』と親の仇でも見たような声で威嚇し、散り散りに逃げていった。
流石に感じが悪い。
彼女と困ったように顔を見合わせていると、
「すみませんが、帰って下さい」
男の子が言った。
ちょっとムッとした俺は、どういう事か訊く。
「僕が猫を沢山飼ってるのは、そういうモノに敏感に反応してるからです。猫達が、占って良い人と悪い人を選り分けてくれてるんですよ。こんな反応をしたのは初めてです」
携帯ショップに行ったが大した原因は分からずじまいだった。
そして、話の流れで気分転換に『占いでもしてもらおうか』って事になった。
市内でも『当たる』と有名な占いの男の子がいる。
茶の短髪、丸い眼鏡、紺のコートを着た中学生くらいの男の子。
ところが予約がいるらしく、電話すると、運よく翌日の日曜にアポが取れた。
その日は適当に買い物などして、外泊した。
日曜日。
昼過ぎに男の子の所に着いた。
「予約した者ですが」
「どうぞ」
男の子に勧められると、路上の占いスペースの周囲に猫がいた。
俺達を見ると、ギャッと威嚇をし、路地裏の奥へ逃げていった。
男の子の足元も猫に囲まれている。
俺達が近付いた瞬間、一斉に『ギャーォ!』と親の仇でも見たような声で威嚇し、散り散りに逃げていった。
流石に感じが悪い。
彼女と困ったように顔を見合わせていると、
「すみませんが、帰って下さい」
男の子が言った。
ちょっとムッとした俺は、どういう事か訊く。
「僕が猫を沢山飼ってるのは、そういうモノに敏感に反応してるからです。猫達が、占って良い人と悪い人を選り分けてくれてるんですよ。こんな反応をしたのは初めてです」