國比呂少年怪異譚
俺は何故か閃くものがあって、彼女への妙な電話、俺の見た悪夢を男の子に話した。

すると。

「彼女さんの後ろに、、動物のオブジェの様な物が見えます。今すぐ捨てなさい」

男の子は答えた。

それがどうかしたのか、と訊くと、

「お願いですから帰って下さい、それ以上は言いたくもないし見たくもありません」

男の子はそっぽを向いた。

彼も顔が蒼白になってきている。

俺が執拗に食い下がる。

「あれは何なんですか?呪われてるとか、良くアンティークにありがちなヤツですか?」

男の子が答えるまで、何度も何度も訊き続けた。

すると男の子は立ち上がり、

「あれは凝縮された極小サイズの地獄です!地獄の門です、捨てなさい!帰りなさい!」

「あのお金は…」

「い   り   ま   せ   ん   !」

この時の絶叫した男の子の顔が、何より怖かった。

< 43 / 100 >

この作品をシェア

pagetop