國比呂少年怪異譚
翌日。
坊さんが来た時に家に入るなり、
「獣臭いのう。念の為に仏様の部屋で香を焚いておいて良かったわい」
そう言われ、昨日の出来事は現実だったんだと思い、またゾッとしたという。
僕はそんな事をするのは狐だろうと思い母親に話すと、
「馬鹿な事言わないの。狐様はそんな悪さはせんよ。うちじゃ祀っとらんが、稲荷さんの悪口は言ってはいかん」
そう諭された。
じゃあなんなんだ、という問いになると急に黙り込み、その日は口をきいてくれなかった。
坊さんが来た時に家に入るなり、
「獣臭いのう。念の為に仏様の部屋で香を焚いておいて良かったわい」
そう言われ、昨日の出来事は現実だったんだと思い、またゾッとしたという。
僕はそんな事をするのは狐だろうと思い母親に話すと、
「馬鹿な事言わないの。狐様はそんな悪さはせんよ。うちじゃ祀っとらんが、稲荷さんの悪口は言ってはいかん」
そう諭された。
じゃあなんなんだ、という問いになると急に黙り込み、その日は口をきいてくれなかった。