國比呂少年怪異譚
「貴方にも見えるんですね…」

「?」

俺が何を言うんだこのガキという顔で見返すと。

「周りを見て下さい…貴方以外にアレを見てる者はいますか?」

俺はハッとしてしまった。

少年の言う通りである。

あれだけの美女があんな短いスカートを穿いているのに、誰も女性を見ていないのだ。

頭の悪そうな男子高校生さえも一瞥もしない。

少年は独り言の様に話を続けた。

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